Tria nomina 【ローマ人の名前】
Ave Quiriti ! 皆さんこんにちは!前回はローマ数字について話しました。では、こちらの数字は読めますか??
MCMLXXXIX
できなければ、こちらで復習しましょう!
今日は、ローマ人の名前の話をしたいと思います。なぜなら、碑文では、石を立てた人や尊敬された人の名前がいつも出てくるからです。ローマ市民は紀元前2世紀から、名前は二つから成り立っていたのが、だんだん三つが一般的になります。その三つの名前はPraenomen(名前)、Nomen(名字)とCognomen(あだ名)でした。
たとえば、有名な弁護士であり政治家であるキケロのフールネームはMarcus Tullius Cicero になります。
Ciceroというあだ名はCicer(ひよこ豆)から来ているみたいです。キケロは顔に疣があったそうですから!
前回ご説明したとおり、文献の難しさは省略が多いことです。下の名前もそうですが、割と少ないので、慣れてきたら簡単に想像できます。
省略された名前 | 名前 | 意味(あるとき) |
A | Aulus | |
C | Gaius 又はCaius | |
CN | Gnaeus 又は Cnaeus | |
D | Decimus | 10人目の子 |
L | Lucius | 光と生まれた子 |
M | Marcus | |
P | Publius | 市民の子 |
Q | Quintus | 5人目の子 |
SEX | Sextus | 5人目の子 |
TI | Tiberius | テヴェレ川から生まれた子 |
T | Titus |
NomenはGens、家族の名字です。ローマの一番えらい家族はこちらです。
Aemilius,Claudius, Cornelius, Fabius, Furius, Iulius, Manlius, Papirius, Postumius, Quinctius, Sulpicius, Tarquinius, Valerius
ほとんどの有名なローマ人はこの家族を先祖としています。
問題①練習しましょう。こちらは誰かわかりますか。
!注意!文献のように、下の名前は省略されていて、三つの名前の 間にスペースがなくて、大文字で書いてあります。
CIULIUSCAESAR
わかりましたか?答えは下にあります。
最後に文献によく出てくるのは、部族と父の名前です。順番は 省略された下の名前、名字、父の名前+F(Filius、~の息子)、部族、あだ名になります。
例を見ましょう。
まずは文献を紙に写してください。今回、石碑を書いた人は優しかったです。言葉の間に点があるので助かります!
問題②三つのローマ数字は読めますか。
問題③名前はどこからどこまでですか。
問題④この石碑は何であるか想像できますか。
答えは下にあります。
少しずつローマの文献になれましたか。次回は皇帝の文献を勉強しましょう!
お楽しみに!ではまた今度!
Salve !
Zélia
答え
① CIULIUSCAESAR は Caius Iulius Caesar でした。ガイウス・ユリウス・カエサルのことです。
② 数字は XI = 11、XXXIII = 33 と XIII = 13 でした。
③ 名前はQ(uintus) Lucilius Q(uinti) f(ilius) Vot(uria tribu) Pudens でした。Q(uintus) は下の名前、Lucilius は名字、Q(uinti) f(ilius)は Q(uintus)の息子で、W=Vot(uria tribu) はVoturiaという部族、Pudens はあだ名です。
④ その石は墓石です。死者は兵隊でした。