Apicius 【古代ローマのグルメ、アピシウス】
Ave Quiriti ! 皆さんこんにちは!
前回の投稿からずいぶん経ちましたので、新しいテーマに入りたいと思います。
これからしばらくローマ時代の美食について話したいです。
当教室にとても面白い本があるのですが、フランスの書籍で日本では買いにくいので、このブログでみなさんに是非ご紹介したいです!
こちらの本です!
Marcus Gavius Apicius(マルクス・ガビウス・アピシウス)は1世紀頃、ティベリウス帝の時代に、グルメとしても知られる話題の料理人でした。
De re coquinaria は彼が編纂したといわれている料理書です。
シェフの Renzo Pedrazzini がこの歴史的な料理書の研究を基にして、現代に古代ローマ料理のレストランを開き、先程ご紹介した Gastronomie d’Apicius という本を発表しました。
というわけで、この本の中からレシピをご紹介します。
今日のレシピはデザートです。かなり作りやすくておいしいですよ!
まず、ラテン語の文書を翻訳してみましょう。
Patina piris パティナ・ピリス
Pira elixa et purgata e medio teres cum pipere, melle, passo, cumino, liquamine, oleo modico. Ovis missis patinam facies, piper super aspargis et inferes.
洋梨のスパイシープリン
洋梨をゆでて種を取り、胡椒、はちみつ、パッスム、クミン、ガルムと少しのオリーブオイルを加えてつぶします。そこに卵を加え、プリンを作り、胡椒をかけて出来上がり。
少し情報が足りませんね。レシピというよりは、メモだったのかもしれません!
まず、パッスムとガルムの意味を説明しましょう。
パッスムは甘口の白ワインです。学者によると、フランスのヴァン・ド・パイユに近いようです。
日本では、代用品として、アイスワインやみりんを使うといいかもしれません。
ガルムは調味料で、古代ローマの魚醤です。スイーツに使うのはちょっと想像しにくいですが、しょっぱさとうまみが出て、甘味とバランスが取れるのでしょう。
材料の分量については、全く書かれていませんので、シェフRenzo Pedrazzini が考えたものをご紹介します。
洋梨4個、蜂蜜100グラム、パッスムという甘口ワイン100ミリ、クミン小さじ1杯、オリーブオイル50ミリ、卵3個、ガルム適量、胡椒適量。
焼く時は、オーブンで湯煎に掛けて、120度で1時間半焼いてくださいね。
ぜひ、挑戦してみませんか?^^
ではまた今度!
Zélia